新車は乗り潰すよりも買い替えがお得?【時期は3年・5年のどっち?】

新車に乗っていると、廃車までこのまま乗り潰そうか、それとも買い替えてしまおうか、考える時期がやってくると思います。

とても愛着を持っているなら、メンテナンスをしながら完全に動かなくなるまで乗り続けたいという人もいるでしょう。

もしくは、新車が新しく登場する度に目移りして色んな車を楽しみたいと考える人もいます。

もちろん、生活スタイルや車の乗り方がありますので、どちらにすべきとは言えませんが、どちらがお得になるのかは知りたいと思いませんか?

ここでは、そんな気持ちの面は置いておいて、「乗り潰し」と「買い替え」では、どちらがお得なのか、詳しく解説していきます。

乗り潰しと買い替えのメリット

タイミングが早ければ、それだけ高く売却できるということですから、新車購入にかかる負担も小さくなります。それに、年式が新しい車ほど、当面は故障の心配もありませんし燃費の良さにも満足できるでしょう。

ですが、新車購入にはそれなりにまとまったお金が必要になります。日本車は優秀で、致命的な故障はなかなか起きないものですから、そう考えると乗り潰したほうが良さそうです。

結局、いつ買い替えるのがベストなのかの判断は簡単ではありませんが、「乗り潰し」と「買い替え」のメリットを整理しましょう。

「乗り潰し」のメリット

乗り潰す人たちは、「愛着」や「思い入れ」以外に、どういった意図で車に長い間乗り続けているのでしょうか?

・大切に乗れば、次の新車を現金で買えるくらいお金を貯められるから
・現在の日本車は10年乗る、10万km走る程度では故障しないから
・せっかく車検を通したので、次の車検までは乗りたいから
・故障さえなければ、どう考えても乗り潰した方がお得だから

車の購入にはまとまったお金が必要となるため、買い替えよりも乗り潰した方が、お金がかからない場合がほとんど。敢えて買い替える必要性もメリットも感じない!というのが乗り潰す人たちの意見のようです。

もちろん、車は機械ですので、故障していなくても部品を交換する時期がやってきます。

例えば、エンジンオイルなら5000kmもしくは半年毎に交換が必要です。タイミングベストなら10万km、バッテリーは3年くらい、ブレーキパッドは3万kmくらい・・・と、メーカーや乗り方にもよりますが、交換の目安はある程度把握できます。

部品の交換は数千円で済む物もあれば、5万円くらいになる物もあります。

こうした交換や修理は、長く乗り続けると頻度も高くなりますし、費用も大きくなっていくのが普通です。

それでも今の車の品質からすると、部品交換だけで故障とは無縁で運転を楽しめる可能性も十分にあります。そこが乗り潰しの強みと言えます。

また、車の寿命を延ばす方法もたくさんあります。定期点検やメンテナンスを行うのはもちろんのこと、事故を起こさないように安全運転を心がけるのも大切ですよね。

「買い替え」のメリット

車を買い替えて乗り続けている人は、「車好き」か「経済的に余裕のある人」といったイメージがあるかもしれませんが、実際にはそれだけではありません。

車を3年や5年で乗り替える人たちは、どんな理由や目的があるのでしょうか。

・3年目の車検の前に乗り替えれば高額買取になる可能性が高く、車検費用も節約できる
・5年乗る、5万km走ったあたりから、どうしても故障が増えることを考えるとその前に乗り換えたほうが良い
・車の下取り価格が購入後5年くらいまでは、比較的高い
・新しい車は最新の機能で燃費や安全性が向上している

故障への不安や費用、買取価格・下取り価格を考慮していることが分かります。

結局、どちらがお得なのか

どちらも大きなポイントとなるのは、故障した場合の安全性や修理代についてです。

ですが、新車は長期に渡って故障の心配はありませんし、故障したとしても基本的に新車保証で、無償修理の対象となりますので、修理費用がかかることはありません。

→新車保証とは…
新車保証は一般保証と特別保証の2つの種類があります。一般保証は、保証期間が新車登録日から3年または走行距離6万kmのどちらか早い方となっており、消耗部品以外のエアコンやナビなどの電飾系が保証対象となっています。特別保証は、保証期間が新車登録日から5年または走行距離10万kmのどちらか早い方となっており、車の基本性能(走る・曲がる・止まる)に強い影響を及ぼす部品が保証対象となっています。※保証内容はメーカーや車種によって若干異なる場合があります。

ですが、現在の日本車は10年10万km程度では何の問題もないどころか、20万kmでも平気で走ることも普通です。

そのため、下取り価格が付かなくなるような期間(10年以上、もしくは10万km以上)で乗り潰しても、ほとんどの場合は深刻な故障が起こるのは希と言えるのです。

(※機械はいつか必ず故障しますし、それがいつなのかは分かりません。当然、早い段階で故障してしまう可能性もありますので、10年以上走る保証はありません)

故障の可能性が低いのであれば、やはり乗り潰すつもりで長く使用したほうがお得と言えます。

ですが、車に求めることはお得に乗ることだけではありませんよね。

ライフステージの変化に伴い、安全性能を重視していきたいという人もいますし、住まいが変わることで車の買い替えが必要になることもあります。あとは長距離運転が多いので乗り心地を重視していきたいという人もいるでしょう。

結局のところ、個人の生活や考え方が大きく影響するので、お金の面で言えば乗り潰したほうが得をしますが、総合的にはどちらとも言えないというのが結論です。

単純に計算してみると・・・?買い替えと乗り潰しの損得計算

メリットを比較すると、どっちもどっちという結果になりました。メリットと言っても、結局その人の嗜好や状況が絡んでくるため、はっきりとできないのは仕方ないですよね。

では、単純に「いくらかかるのか?」という点だけに絞って、比較してみましょう。

ただし、単純な計算と言っても、燃費や任意保険の金額には個人差がありますし、故障するかどうかは分かりません。

そのため、任意保険は考えず、以下の条件で計算していきます。(あくまでもモデルケースとして)

・新車購入代金:250万円(各種税込)(※買い替えは同程度のものを購入)
・自動車税  :39,500円/年
・自動車重量税:12,300円/年(14年目以降17年目までは17,100円/年)
・燃費    :15km/L(買い替え後は20km/L)
・ガソリン代 :120円/L
・走行距離  :1万km/年
・車検費用  :14万円
・修理費用  :0円(5年目まで)、1.5万円/年(6年目以降)
・乗り潰し年数:15年
・下取り価格 :125万円(3年目)、75万円(5年目)

※自動車税については、消費税が10%になったら廃止になるらしいですが、一応現時点では計算に入れておきます。

3年で買い替える場合の総支出(15年間)

まずは、車検が来る前の3年で買い替える場合です。車検が切れる前に売ってしまうため、車検費用や重量税が不要です。

新車購入代金:250万円 × 5台 = 1,250万円
自動車税  :39,500円/年 × 15年 = 592,500円
ガソリン代 :120円/L ×(30,000km ÷ 15km/L)= 240,000円
ガソリン代(2台目以降):120円/L ×(30,000km ÷ 20km/L)× 4 = 720,000円
下取り価格 :125万円 × 4台 = 500万円

結果として、3年で買い替えながら15年間、車を利用した場合の総支出は、次のようになりました。

→905万2,500円

5年で買い替える場合の総支出(15年間)

次に、下取り価格が大きく下がると言われている、5年目までに買い替える場合を考えます。この場合、車検費用や重量税がかかってくることになります。

新車購入代金:250万円 × 3台 = 750万円
自動車重量税:12,300円/年 × 2年 × 3台 = 73,800円
車検費用  :140,000円 × 3台 = 420,000円(5年目の車検前に処分します)
自動車税  :39,500円/年 × 15年 = 592,500円
ガソリン代 :120円/L ×(50,000km ÷ 15km/L)= 400,000円
ガソリン代(2台目以降):120円/L ×(50,000km ÷ 20km/L)× 2 = 600,000円
下取り価格 :75万円 × 2台 = 150万円

税金や車検代を考慮しても、以下のように3年ごとに買い替えるよりは割安になっています。新車購入代金が総支出の大きなウェイトを占めているということでしょう。

→808万6,300円

買い替えずに乗り潰す場合の総支出(15年間)

最後に、1台の車を15年間乗り続ける場合を計算してみます。なお、14年目以降は重量税と自動車税が、それぞれ割増になります。また、6年目以降は修理費用も加算されます。

新車購入代金:250万円
自動車重量税:12,300円/年 × 10年 = 123,000円
自動車重量税(割増):17,100円/年 × 2年 = 34,200円
車検費用  :140,000円 × 6回 = 840,000円(最後の車検前に処分します)
自動車税  :39,500円/年 × 13年 = 513,500円
自動車税(割増):45,400円/年 × 2年 = 90,800円
ガソリン代 :120円/L ×(150,000km ÷ 15km/L)= 1200,000円
修理費用  :15,000円/年 × 10年 = 150,000円

燃費が悪いまま15年乗り続け、税金が割り増しされたり、維持費、コストが大きくなったりと、いろいろな諸費用がかかっているように見えますが、合計すると明らかに総支出が低く抑えられています。

→545万1,500円

あくまで参考程度にしかなりませんが、それでもこれだけ差があるのは無視できません。

まとめ

「乗り潰す」か「買い替える」か、というのは、車検がある3年目、下取り価格が下がると言われる5年目、車の寿命と言われている10年目の節目で、真剣に考えると思います。

そのため、多くの人がいろいろな観点からその選択を行って、どちらが得かを考えてきたと思います。

しかし今回、改めて「総支出」という観点でお得さを確認したところ、圧倒的に「乗り潰す」のがお得という結果になりました。

その後は、「5年ごとに買い替える」、「3年ごとに買い替える」と続きましたので、やはり短期間で買い替えるのは、お金の面では得にはならないということです。

とは言え、車の買い替えが選択肢に出てきた時点で、一度買取業者に査定してもらうことをおすすめします。

査定額を見たら、金額的には損であっても、金額以上のメリットを感じて新しい車を迎え入れたくなるかもしれません。

買取査定は無料ですし、もちろん査定だけでも応じてもらえます。

そして、買取業者を探すなら、一括査定サイトから申し込むのがベストです。一括査定ならわざわざ買取店まで足を運ぶことなく、相場が分かります。

車の買い替えは大きな出費を伴いますから、愛車の価値を最大限に高めて、高額査定を目指しましょう。

・買い替えることで、先進技術が取り入れられ、低燃費と安全性を享受できる
・10年10万kmを超えると、故障が多くなると言われているが、日本車の場合はそうとは限らない
・3年で買い替えるよりも5年で買い替える方がお得(15年間車に乗るモデルケースの場合)
・5年で買い替えるよりも、乗り潰す方がお得(15年間車に乗るモデルケースの場合)