車を売るなら傷やへこみは直してはいけない?その理由は?

車は外を走りますので、どんなに気をつけていても小さな傷くらいはできてしまうものです。

駐車場でこすってしまったり、ぶつけてしまったりしたものは自覚があると思いますが、いつの間にかボディーに目立たない小さな傷がついていることもあります。

中には、駐車場に駐めていたら、ぶつけられて大きなヘコミができていたという経験をしたことがある人もいるかもしれません。

そんな「傷がある車」を売る場合、それらの傷やヘコミは直しておくと、下取り査定や買取査定にどう影響するのでしょうか。

じつは、傷やヘコミは直して売却すると損をしてしまいます。詳しく解説しましょう。

傷やへこみを直してから車を売ると、損をする

車に傷やへこみがある状態だと、その分、査定額は減額されます。傷のある車と比べると、傷のない車のほうが査定額アップになるのは、当たり前のことです。

そのため、「1円でも高く買い取ってもらう」ということだけを考慮すれば、傷やへこみを直したほうが良いと考える人もいるでしょう。

しかし、修理するには、修理代がかかります。

特に車の修理費用は、高くつくことが多いですから、高く売るどころか、余計な出費になってしまいます。

その理由を詳しく説明しましょう。

なぜ、車を売るときに傷やへこみを直すと損をするのか?

損をする理由は簡単です。

傷を直した時の査定額が、修理費用を上回ることはまずないからです。

例えば、大手の修理工場で「すり傷」を直した場合の費用(税抜価格)は、以下のようになっています。

・バンパーのすり傷の修理費用
15cm×15cm程度 …… 18,900円
30cm×15cm程度  …… 23,700円
45cm×15cm程度 …… 28,500円
・ドアのすり傷の修理費用
15cm×15cm程度 ……… 28,400円
へこみが1カ所あり …… 33,200円
30cm×15cm程度  ……… 35,500円
へこみが2カ所あり …… 40,300円
(参考:イエローハット)

傷の程度や場所によりますが、上記のように、すり傷の修理でも数万円かかってしまうのです。

しかし、中古車にすり傷があるのは珍しくありません。ですからすり傷があるから数万円も査定額に響くようなことは、滅多にありません。逆に、バンパーのすり傷がないから増額するなんてこともありません。

修理をしても、修理費用以上に査定アップすることはあり得ないのです。

なぜ、修理費用以上に査定額が増額されないのか?

買取業者の多くは、修理工場を持っています。もし持っていなくても、提携している工場を幾つも持っているのが普通。

つまり、多くの買取業者は、一般の人が修理を依頼するよりも、格安で修理を行うことができるのです。

修理をしても査定額アップには繋がらない理由はここにあります。

自己判断での修理はだめ! 減額されることもあります

何より問題なのが、異常に安価な修理業者に依頼したり、傷が浅いからといって自分で直そうとしたりすることです。

安価な業者は、値段なりの仕事しかできないと考えたほうが良いです。設備や道具が充実していなかったり、スタッフの腕が悪かったり、または修理に手を抜かれてしまうリスクもあります。

そして、自分で修理を試みるのは、もっと悪い結果になってしまいます。整備工場で修理経験を積んだ人や専門の教育を受けた人であれば話は違いますが、修理スキルを持っている人は明らかに少数派です。

素人が半端な知識だけで修理をしてみても、浅い傷を直すどころか、逆に修理跡を目立たせてしまったり、ざらつき、色むらができたりと、余計に印象を悪くしてしまうことになります。

軽いすり傷だったのが、大きな傷と同じ扱いになってしまっては元も子もありません。手をかけてマイナス査定になるくらいなら、何もしないほうが良いに決まっています。

うまく修理しても、車の査定額が減額されている可能性がある!

もし知り合いに格安で修理してくれる人がいるという場合であっても、今後は売却するタイミングで損をしてしまうかもしれません。

なぜなら、「中古車は古いほど値段が下がる」からです。

つまり、修理せずに1日でも早く売るほうが、修理して2週間後に売るよりも高く手放せる可能性が高いということ。
中古車市場の価格はどんどん変わっていきます。つい数日前と比べたら大幅に価格がダウンしていた・・・なんてことも珍しくはありません。

中古車の買取価格は、為替や社会情勢も大きく関係しますし、短期間で価格が変わる事が多いことから、一般の人が相場を予測するのは無理です。というか、そもそも車を売るためにそこまで勉強する必要はありませんが・・・。

車の傷やへこみは、直さずに売るのが正解!

結果的には、車の傷やへこみを直さず売るのが正解です。

修理せずに査定してもらうことで、多少の減額はされるでしょう。しかし、修理代という余計な出費は減りますし、時間も節約できます。それらを考慮すれば、結果的にプラスになると考えてください。

それに、買取業者ごとに減額幅・・・つまり傷の査定方法が違っているため、まったく減額されない場合や減額されても少額で済む場合も多いです。

となると、査定が1社だけだと比較しようがないので、複数の業者に見積り依頼が必要になります。

なぜ、業者によって傷の査定方法が違うのか?

「業者ごとに、傷に対する査定方法が違う」ということは、業者ごとに査定基準(減点方法)が違うということです。幾つかの業者のパターンと、その代表的な理由を紹介しましょう。

1. すり傷程度はまったく気にせず、減額されない業者

このパターンの業者は、自社で修理工場を持っているか、海外販売のルートを持っていることが多いです。

買い取った車を売りに出す前に、自社工場での点検やオーバーホールをするような会社であれば、そこで傷などもいっぺんにきれいにすることもできますので、多少の傷があっても査定額に響きません。

海外では、日本人ほど車の外観の傷などは気にしません。「日本車」というだけで、ある程度の価値を付けてくれますし、その業者が欲している車種だった場合、どうしても買い取りたくて、少々の傷やへこみには目をつぶることもあります。

人気車種をお持ちなら、多少の傷やへこみは気にせずに査定依頼をしてください。

2. 傷やへこみは多少気にするが、減額幅は小さい業者

工場と提携していたり、得意先の修理工場があったりする業者は、多少の傷やへこみでも減額幅が小さいです。

自社工場を持っている業者と比べると、修理にコストがかかりますので、その分は減額されるものの、それでも一般の人が依頼するよりは、かなり格安で修理してもらえるのは間違いありません。ですから、査定額の減額は小さくて済むと考えて良いでしょう。

3.細かく傷をチェックして、積み上げ式で減額幅を決める業者

多くの人がイメージするのが、このパターンの業者だと思います。

車の外観などをじっくりと確認し、何か問題を見つけると減額していく。そして、その累積で見積価格を提示するので、上の2つの業者と比べると減額幅は大きくなるでしょう。

ただし、このパターンの業者であっても、修理費用を回収できるほど、プラス査定になることはありません。

やはり買取業者側が手配した修理屋のほうが安くなりますから、プラスに査定にはならないのです。

傷やへこみのある車を、少しでも高額で売る方法

上の③の業者のように傷やへこみを積極的に(?)減額してくる買取業者であっても、修理に出してはいけないとお話しました。

では、傷の影響を最小限に抑えて、高値で売る方法を考えていきましょう。

「傷やへこみがあっても減額しません」と宣伝しているような業者はまずありません。そのため、実際に減額されていないのかどうかを事前に確認する手段もありません。

車種によって減額幅が違うことも多いですから、そうなると、業者を1軒ずつ回って査定してもらうしかない・・・というのが、一昔前の「当たり前」でした。

ですが、今は車の一括査定サービスがあります。
ネット上で利用できる「車の一括査定サイト」であれば、1社1社回る手間をかけることなく、最適な業者を選べます。

方法は簡単で、「車の一括査定サイト」で複数の業者へ査定依頼をし、仮査定が高かった所を3社くらい選んで、そこから更に絞り込んでいきます。

もちろん、仮査定と本査定とでは、結果が変わってくる可能性はありますが、事前に細かく愛車の情報を伝え、写真を送るなどすれば、仮査定でも本査定に近い結果が出るでしょう。

仮査定の段階で、高額査定を出す業者は、あなたの愛車が欲しいはずですから、傷やへこみでの減額幅が小さい可能性が高いです。

つまり、「車の一括査定サイト」を利用すれば、自分で業者を回るよりも効率的に「傷のある車でも高く買ってくれる業者」を見つけることができるのです。

まとめ

傷やへこみのある車を売るとき、修理してから売ったほうが良いと考えがちですが、修理してもほぼ100%損をしてしまいます。

それよりも、「車の一括査定サイト」から複数の業者へ査定依頼を出し、できるだけ高く買ってくれる業者を選んだほうが得策です。

・傷やへこみを修理しても、修理費用以上に査定額が上がることはない
・小さい傷やへこみなら査定額にそれほど影響しない
・傷やへこみで査定額が下がらない業者を自力で探すのは困難
・「車の一括査定」を利用して、「高く買ってくれる業者」を選ぶのがポイント