車を売る時にトラブルにならない為の注意点は?

車を売る時には、それなりの金額のお金が動きます。

そのため、ひとたびトラブルが起きると大きな損失につながらないよう、売却には十分に注意する必要があります。

そもそも買取業者への車の売却は、法人との売買契約書を取り交わすものです。そのため、契約書の記載内容をきちんと確認し、義務と権利を理解した上で行わなければいけません。

もちろん、中には悪質な業者もいますので、より警戒していかなければいけないでしょう。

ですが、だからといって、契約書を隅から隅まで完璧に理解するのは、素人には難しいものですから、安心してお任せできる業者選びも重要になってきます。

ただし、そこまで心配することはありません。

よくある売却トラブルはある程度決まっていますので、それを事前に防ぐための対策も決まっています。それらを把握すれば、トラブルに遭う可能性はとても小さくなるでしょう。

車売却時のトラブルと回避策について、紹介していきます。

車売却時のトラブルは、3つのパターンに注意

車を売却する時に起こるトラブルは数多く発生しています。

対象となる中古車は1台ごとに状態や価値は違いますし、業者も多数ありますので、内容はすべて違っていますが、ほとんどが次のパターンのどれかにあてはまります。

営業や勧誘手法に関するトラブル
解約や解約料に関するトラブル
支払いに関するトラブル

じつは、これらのトラブルの多くは、信頼できる業者に依頼することで回避できるのです。

そのため、信頼できる「買取業者を選ぶ」のがなにより重要となります。しかし、買取サービスが乱立している昨今、なかなか本物を見分けることができないのが現状でしょう。

そんな時は、ネットの一括査定サイトの無料査定を利用することをおすすめします。

カーセンサー等、一括査定サイトが提携している買取業者は、サイト側が一定の基準に基づいて選定した業者です。そのため、詐欺まがいのことを行うような悪質な業者を選んでしまうリスクはほとんどないのです。

ガリバーやラビットといった、誰もがよく知っているような大手買取店も多数提携していますので、そういった意味でも安心感があります。

ちなみに、個人売買やオークションサイトを利用する場合は、販売店や買取店よりも高く売れる可能性もありますが、個人同士のやりとりはトラブル事例がとても多いのでおすすめできません。

車を売る時のトラブル対策は難しくない

ここからは、具体的なトラブル内容と、トラブルを回避するための対策を紹介していきます。個々の対策はそれほど難しいものではありませんので、「車を売る」と決めたなら、気を付けていけるようにしましょう。

営業や勧誘手法に関するトラブル

1. しつこい勧誘電話

買取業者に査定を依頼したものの、条件を飲めなかったり、事情が変わったりして売却を取りやめた場合に起こる可能性があるものです。

「売って欲しい」という電話が、買取業者から何度もかかってくるもので、精神的な苦痛を強いられます。

対策は「はっきりと断る」ことに尽きます。

少しでもあいまいな態度をとれば、業者側は手を変え品を変えて勧誘してきますので、下取りに出すなど、売る気がないのであればはっきりと断りましょう。

2. 査定時の強引な勧誘

業者に出向いたり、出張査定に来てもらったりして、査定価格が出たあとに悩んでいると、業者によっては強引な勧誘を行ってくる場合があります。

その中でももっとも多いのが、期間限定的な話をして契約を半ば強要するものです。

「今ならこの価格ですが、明日には下がります」
「いったん契約してもらっても、キャンセルできますので、価格が変わらないうちに契約だけはしておきませんか」また、中には「もう少し詳細な査定をすれば価格が上がるかもしれない」と契約もしていないのに車を持って行ってしまう業者や、「あとでクーリングオフができる」などという虚偽説明を行う業者もいるようです。

最後の2つの例は問題外です(自動車の売却にクーリングオフは適用されません)が、そうでなくても、強引な勧誘にのって契約したことが原因で、もっと面倒なトラブルに発展する可能性があります。

もしそうなったら、数万円の買取価格などどうでも良くなるような手間とお金がかかることもあるのです。

対策は、その場で契約しないことです。一度クールダウンして、冷静に考えなければいけません。

「他社でも査定している」「目安を知りたかっただけ」「今は売れないので、後日下がったらそれで仕方ない」などと、きっぱりと断りましょう。

価格交渉は相手方ではなく、あなた有利に進めていきましょう。
交渉方法については、あなたがいくら勉強しても専門家には適いませんので、必要な情報収集をして後は業者同士で競ってもらうというのが王道です。

解約や解約料に関するトラブル

1. 高額な解約料を求められる

車の売買契約後に、事情が変わって解約することもあるでしょう。その場合に一定の解約料がかかるのは、どうしようもありません。

しかし、その金額が妥当ではない場合があります。

特に多いのが、「一律10万円」といった金額が決められているものです。

この内容は、契約時に取り交わす売買契約書に記載されている場合がほとんどですので、解約する場合は支払わなければいけませんが、満額払う必要があるかどうかは時と場合によります。

消費者契約法第 9 条第 1 号では、「契約の解除に伴う損害賠償や違約金の金額が平均的損害を上回る部分については無効」と定められています。つまり、解約によって買取業者が被るであろう不利益の平均額までしか払う義務はないのです。

しかし、「平均的損害額」がいくらなのか、素人が簡単に分かるわけもありませんので、もし高額な解約料が求められたのではと感じた場合は、国民生活センター(消費者センター)へ相談することをおすすめします。

2. 解約できない

解約しようとしたところ、「すでに売り手が付いているので解約できない」「すでに他県の営業所へ搬送しているのでできない」などと断られるケースです。

解約不可の条件が契約書に記載されている場合もありますが、一方的な理由で解約不可にされている場合は、国民生活センター(消費者センター)へ相談する必要があるでしょう。

この2つのトラブルを避ける対策は、安易に契約しないことです。

家族に相談せずに契約をしたり、相場を確認することなく契約したりしている場合に、解約が発生することが多いです。

しっかりと考えて、相談してから契約しなければいけません。

支払いに関するトラブル

1. 売却代金が支払われない

「車や書類を引き渡したのに、振込日になっても振り込まれず、業者へ連絡したら倒産していた」というケースです。

こうなってしまうと、弁護士を立てて債権回収を行う必要が出てきますので、手間と時間がかかり、泣き寝入りしてしまうこともあるかもしれません。

対策は、信頼できる業者へ売却することですので、一括査定サイトを利用することで、回避できます。事実、最近はあまり見られなくなっている事例です。

また、なによりも代金の入金前に車や車検証などをすべて渡してしまわないようにするのも、対策の1つです。

業者が名義変更などの手続きを行うため、どうしても渡さなければならないのであれば、代金と引き換えに渡すようにしましょう。

2. 車の引き渡し後に査定価格が減額される

現在でもとても多いトラブルです。

契約して車や書類を引き渡し、あとは振り込まれるのを待つだけという状態で、突然業者から連絡があり、「欠陥が見つかった」「修復歴があった」「事故車だと分かった」などと一方的に査定額を減額してくるというものです。

完全に後出しじゃんけんで、もし本当に欠陥があったとしても、最初の査定でのミスですので、納得できないかもしれません。しかし、買取業者側は「瑕疵担保責任に基づく減額」という言い分で攻めてきますので、多くの方が泣き寝入りしているかもしれません。

瑕疵担保責任は、商品の瑕疵(欠陥)については、売買契約後も売り手が責任を負うという法律です。ただし、この責任は買い手に過失がないことが前提になっています。

そもそも、査定のプロである買取業者が、査定価格が減額されるような欠陥を見落とすはずはありません。そのため、「そんな欠陥を見落としたのは買取業者の過失」と解釈して、瑕疵担保責任を求められないと交渉することができます。

また、消費者契約法第10 条には、「消費者の権利を制限したり、消費者の義務を重くしたりする条項は無効」と定められていますので、売買契約書に減額の記載があったとしても、こちらを根拠にする交渉することができるでしょう。

ただし、上記を根拠に交渉をするためには、査定時に「知っている情報はすべて説明しておく」必要があります。

対策としても同じで、情報はすべてオープンにし、特に事故や修理などの情報は包み隠さずすべて説明しておかなければいけません。また、標準品をオプション品と交換している場合などは、戻しておく必要はありませんが、一緒に引き渡しましょう。

まとめ

車の売却は、契約書にサインすることで成立します。

そのため、「とりあえず契約だけ」という安易な気持ちで契約すること自体がトラブルの引き金であると肝に銘じておきましょう。

なにより、しっかりと考えて、はっきりと回答して、すべて正直に進めることで、トラブルの多くは回避できます。変な小細工はせず、買取業者とWin-Winの関係を築けるようにすれば良いわけです。

・一括査定サイトを利用して、怪しい業者とのやり取りを避ける
・安易に契約しない
・売らないなら売らないとはっきりと答える
・車の修理や事故、傷などの情報はすべて正直に伝える