車を売るときに洗車や掃除は必要?どこをきれいにすればいいの?

愛車を売ろうとするとき、洗車や掃除をするでしょうか?

インターネットを調べる限りでは、「洗車や掃除をするのが当たり前」ということが分かります。

しかし、ほとんどの場合「常識の範囲内」といった記載だけで、どこをどれくらい掃除すればいいのかがよく分かりません。

ここでは、車を売却するときに“できるだけ高く買ってもらうためには”どこをどれくらい掃除すれば良いか、詳しく解説していきます。

車はどこに売る?

まず、そもそも「車をどこに売るのか」というところも考えておかなければいけません。

いくらきれいに掃除・清掃しても、買取相場よりも安く買い叩くようなところで売っては、何の意味もありません。

そこで、おすすめしたいのが「車の一括査定」です。

「車の一括査定」であれば、複数の買取業者へ一斉に査定依頼を行いますので、その中からもっとも高い査定額を提示した業者へ売ることができます。

また、業者は他の業者へも同時に査定依頼がされていることを知っていますので、極端に低い査定額を提示しにくい状況でもあります。

つまり、「車の一括査定」では、安く買い叩かれることがなかなかありません。

また、複数の業者に査定をしてもらうため、「洗車や掃除をして印象を良くする」ことの効果も期待することができるのです。

洗車と掃除で査定額は変わる?

「車の一括査定」を申し込んで、何社かに本査定(実際に車を見てもらって買取価格を提示してもらう)をしてもらうことが決まったとして、途端に気になるのが洗車と掃除です。

事前に洗車と掃除をすることで、プラス査定になるのでしょうか?

答えは、「直接影響はない」ということです。

基本的に、本査定での査定基準は、あくまでもその車そのものの状態(エンジンやサスペンションなどの機械的な状況やメンテナンス状態)に依存します。いくらぴかぴかで新品同様に磨かれていても、動かなければ買い取ってくれません。

しかし、査定をするのは人間ですので、洗車や掃除がされていない車を見れば、次のような印象を受けることでしょう。

「このオーナーは雑だから、買い取ったあとのメンテナンスがたいへんそう」
「これだけ雑な人だと、日頃のメンテナンスもしていなさそう」
「車内のニオイがこもっており、クリーニングがたいへんそう」

こんな第一印象を受けた車を、高く買い取ることなどできないでしょう。

洗車や掃除をしていなければ第一印象が下がりますし、きれいに掃除してあれば第一印象はあがります。

人は第一印象をベースにして結果を導きますので、洗車や掃除をしていなければ、いわばマイナススタートでの査定になってしまうのです。

逆に、査定ポイントを押さえた洗車や掃除をした車であれば、プラス査定とまではいきませんが、最低でも0点からのスタートになることでしょう。

つまり、洗車や掃除は、「間接的に影響がある」と言えます。

どこまで掃除すれば、マイナス査定にならないの?

洗車や掃除は、査定をする営業マンの第一印象に影響します。

そのため、車を売るときには洗車や掃除をした方が良いです。

しかし、いったいどこまで掃除すればいいのでしょうか? もちろん、時と場合によるでしょうが、きれいにすればするほど買取価格が上がるのであれば、時間をかけて掃除すべきでしょう。

しかし、前述しているとおり、洗車や掃除は「しなければマイナスだが、してもプラスになりにくい」ものです。効率よく、洗車や掃除をして、マイナスにならないようにしたいと考えるのが普通でしょう。

洗車はどこまでする?

タイヤやホイール等、車のボディー(外装)を掃除する洗車については、そこまで行う必要はありません。

実際には、ガソリンスタンドなどに設置してある機械洗車にかけるだけで十分です。それも、水洗いだけで事足ります。

目安は、あからさまな泥跳ねやホコリなどの汚れを洗い流しておくだけで十分という事です。ワックスがけなども必要ありません。(もちろん、できるならやっていた方が丁寧なオーナーだという印象は与えられるでしょう)

ただし、ボディの傷やヘコミなどは、基本的にはそのままにしておきましょう。

それらは素人が簡単に直せるものではありませんし、プロにお願いしたところで、修理費用をカバーできるほど査定額が上がることはありません。

むしろ、素人が直そうとして失敗することで、事態を悪化させる可能性の方が高いのです。(中途半端に修理したところをきちんと修理するのは、余計に手間がかかります)

掃除はどこまでする?

次に車内の掃除です。

実は洗車よりも掃除の方が重要です。

ただし、重要だからといって、業者に頼んで清掃する必要ありません。

ダッシュボードやシート、ステアリングなど見えるところを拭いたり、マットを外して掃除機をかけたり、小物入れなどのゴミを捨てたりなどで十分です。

ただ、窓やバックミラーなどはきちんと拭いていた方が、きれいに見えます。

もしシールをはがした跡があれば、「シールはがし」で見た目をきれいにしておかないと、査定でマイナスポイントになりますので注意しておきましょう。

あとは、トランク内の荷物を整理しておき、後付けのドリンクホルダーや芳香剤、脱臭剤などは取り外しておきましょう。

掃除で重要なのは、車内の消臭です!

実は、掃除をするしないにかかわらず、査定にとても大きく響くのが、車内の臭いです。

この臭いを消すために掃除すると言っても過言ではないほど、車内の臭いは査定に影響します。特に喫煙車の場合はタバコの臭いは徹底的に消すように努力しなければ、大きなマイナスポイントとなります。

車内の消臭は時間がかかりますので、車を売ろうと思う1ヶ月くらい前からこまめに換気しておくのがコツです。

洗車や掃除は査定価格のプラスにならないから、できるだけやりたくない

「査定価格のプラスにならないのであれば、必要最低限のことをするだけで良い」と考える人もいるでしょう。

確かに理論上はそのとおりです。査定に来た営業マンは、きれいに掃除されているからといって、査定価格を上乗せすることなどほとんどありません。

しかし、もしあなたが中古車を探している顧客だとして、きれいに掃除してある車とそこそこの掃除がしてある車から選ぶとしたら、どちらを買おうと思うでしょうか?

車を売ろうとする場合、あなたが買取業者へ車を売っています。つまり、車はあなたの商品なのです。商品を売るのに、商品をきれいにしなければ、売れるものも売れなくなるでしょう。

コストパフォーマンスを考慮すれば、冒頭のように必要最低限の掃除の方が良いかもしれません。しかし、商品を売るということを考えれば、きれいに掃除しておく方が有利に働くということは理解できると思います。

査定をしにくる営業マンも人の子です。

「大切に扱われている」と感じる車に対しては、相応の価格をつけてくれるものなのです。

まとめ

車を売るときの洗車や掃除は、「どうせ手放すのに、面倒くさい」という気持ちもあって、どれくらいすればいいのか線引きして進めたいものです。

その線引きは、「車を商品として売る」という考え方をして、「この車を買いたくなるか?」ということを考えれば、自ずと分かってくると思います。

・洗車や掃除は直接査定額に影響しない
・洗車や掃除をしていなければ、メンテナンス状況も悪いと思い込まれる
・掃除でもっとも重要なのは、消臭
・傷やへこみは自分で修繕しようとしないこと
・掃除や修繕を業者に頼んでも、修繕費以上の査定額アップは期待できない
・車は自分の商品だと考えよう。商品を売るには、きれいにしておかなければ売れません