他人名義の車を代理人が売る方法!委任状の書き方や必要書類は?

親や兄弟から車をもらったり、亡くなった祖父や祖母などから車を相続したりしても、その車を使う予定がなければ、処分した方が良いでしょう。

ただし、車を購入するのではなく譲ってもらった場合は、いざ「売却契約」というときになって、「この車は他人名義だから買い取れません」とトラブルに発展する事もあります。そしてそれは、例え家族名義でも同じです。

しかし、安心してください。

他人名義の車でも、正式な代理人になっていれば、売却できます。

その正式な代理人であることを証明するために必要な「委任状」について、詳しく解説しましょう。

他人名義の車は売れない? 委任状があれば売れます

どんなものでもそうですが、他人のものを勝手に売ってはいけません。

特に車の場合は、公的な登録が必要なもので、誰の名義か(誰のものか)ということは、厳密に管理されています。そのため、他人名義の車を勝手に売ろうとしても、ディーラーや買取業者が買取を断ります。

なお、車の所有者名義を確認するもっとも簡単で確実な方法は、車検証の「所有者」欄に誰の名前が書かれているのかを調べることです。そこに自分の名前が記載されていれば、本人名義ですが、そうでなければ「他人名義の車」になっているということです。

「他人名義の車」になっている場合は、旦那名義、つまり配偶者だとしても勝手に売却手続きはできません。

名義変更の手続きを行ってもらえば問題ないのですが、わざわざ売るために名義変更してもらうのは難しいですし、時間と手間がもったいないと考えるのが一般的でしょう。

そこでよく利用されるのが、「委任状」です。

その車の名義人に委任状を書いてもらうことで、自分が名義人の代わりに手続きを行うことができる代理人になれます。もちろん、車を売ることも可能になるというわけです。

「他人名義の車を売るには委任状が必要」ということは、インターネット上でもよく書かれていますので、知っている人も多いかもしれません。

ただし、「委任状が必要」と書かれていても、その委任状の書き方や注意点について詳しく解説しているところはそれほど多くありません。委任状の書き方や注意点について、詳しく解説していきます。

委任状ってなんだろう?

「委任状」というのは、本人(委任者)が特定の法律行為を行うことを相手方(受任者)に委託し、相手方がそれを了承したことを証明する書類です。

そのため、以下の3つの情報が記載されておかなければいけません。

・委任者を特定する情報
・受任者を特定する情報
・委託される法律行為

実際のところは、最低限これら3つの情報が記載されてさえいれば良いだけで、書式は指定されていません。

委任状はどこでもらえるの?

委任状の書式は特に指定されているものではありませんので、自分で作ることもできます。

また、車の売買を解説しているサイトや国土交通省のサイトからもダウンロードできます。

なお、買取業者に相談すれば、持ってきてもらうことも可能です。

委任状を書くのは簡単。でも公式な文書なので慎重に!

上述しているように、委任状は「委任者と受任者を特定する情報」と、「委任する法律行為」を記載するだけです。そのため、委任状の記載は、次の2ステップで終わります。

1. 委任者の欄に、名義人の氏名と住所を記入してもらう
2. 名義人の実印を押印してもらう

基本的には、これだけです。

それ以外の項目は、自分で名義変更を行わない場合は不要です。(買取業者が記入してくれます)

なお、もし記載ミスをした場合、修正するのに名義人の実印による捨て印が必要ですので、ミスのないようにしなければいけません。

また、名義人の実印を証明する必要がありますので、印鑑登録証明書も必要になりますので、事前に準備しておいてもらいましょう。

委任状は1つじゃない! 自分も書いておきましょう。

自分で名義変更をしてから車を売るつもりであれば不要ですが、買取業者に名義変更を依頼するつもりなら、別途、自分の委任状が必要になります。

名義人に依頼したのと同様に、委任者の欄に自分の住所と氏名を記入し、実印を押印しなければいけません。

また、印鑑登録証明書(印鑑証明書)も役所から取得しておきましょう。

車を売るのに必要な書類はこれだけ

車を売るのに必要な書類は、もちろん委任状だけではありません。

ここで、必要書類をまとめておきます。

1. 車検証
2. 自動車納税証明書
3. 自賠責保険証
4. リサイクル券
5. 譲渡証明書
6. 名義人の委任状
7. 名義人の印鑑登録証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
8. 代理人の委任状
9. 代理人の印鑑登録証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
10. 代理人の本人確認書類(身分証明書)
※車検証の住所と名義人の現在の住所が違う場合は、住民票や戸籍謄本も必要です

4.までの書類は車に積んでいるものばかりです。1度確認しておきましょう。

5.の譲渡証明書は、書式が決まっており、国土交通省のサイトからダウンロードすることができます。

この書類は、車の所有者が新しい所有者に変わることを証明する書類です。そのため、この書類にも名義人の住所と氏名を記入し、実印を押印しておく必要があります。

つまり、この書類についても名義人に記入を依頼する必要がありますので、忘れないようにしましょう。

なお、「車名(メーカー名)」や「車の型式」、「車台番号」、「原動機の型式」の記入も必要ですので、車検証を見ながら間違えないように記入するようにしてください。

6.以降は、前述している委任状と印鑑登録証明書、それと代理人の本人確認書類(運転免許証で問題ありません)です。

なお、買取業者によっては、代理人の委任状が不要な場合もありますが、念のため準備しておいた方が無難でしょう。

名義人が死亡している場合

名義人が亡くなった祖父や祖母などになっているようなケース(車を相続した場合)は、名義人から委任状をもらうことができません。

その場合は、相続人全員の実印が押印された委任状や、名義人が死亡していることを証明する書類、相続人全員の戸籍謄本、遺産分割協議書などが必要になります。

相続人の数や相続する人などによって変わってきまし、手間がかかる可能性もありますので、弁護士などに相談した方が良いでしょう。

名義人がローン会社や販売店になっている場合

車をローンで購入した場合は、名義人がローン会社や販売店になっている場合があります。

ローンを完済するまでは、担保として所有者をローン会社にしているものです(使用者は購入した人になっています)。

そのため、ローンを完済すると所有者が変わっているはずですが、手続きをしなければ変わらないことが多いようです。

その場合は、すみやかに「所有権解除」の依頼を行わなければいけません。そうすれば、名義変更に必要な委任状や譲渡証明書が送られてきます。

あとは、今までの説明と同じ手続きを踏むことになります。

なお、もしローンが残っている場合は、ローン会社ではなく買取業者に相談してみましょう。買取価格から残債を返済するなどの方法をとることで、そのまま買い取ってくれる場合があります。

まとめ

他人名義の車を売るには、名義人に委任状や譲渡証明書を書いてもらい、実印を押してもらわなければいけません。

しかし逆に言うと、それさえしてもらえれば、あとの処理は自分の車を売るのと変わりありません。

つまり、名義人の同意がとれて協力してもらえれば、他人名義の車を売るのも、それほど難しいことではないのです。

・他人名義の車を売るには、名義人に委任状を書いてもらうこと
・譲渡証明書も、名義人に書いてもらうこと
・名義変更などの手続きを買取業者にやってもらうには、自分も委任状を書く必要がある
・委任状と譲渡証明書には実印が必要
・実印を証明する印鑑登録証明書が必要

ちなみに、車を売る前に一括査定サイトで、査定額をチェックする事で、より高値で買い取ってもらえる可能性がありますので、ぜひ活用してください。無料で利用できます。