車を売ると税金(自動車税)が返ってくる?還付金があるのはどんな時?

普通に働いて生活していると、車を所有していなくても所得税や消費税を納める事になりますが、車を購入すると、自動車税(軽自動車税)、自動車取得税、自動車重量税、消費税を納めなければいけません。

もちろん、乗っている間も税金の対象となります。

では、車を売るとこれらの税金はどうなるのでしょうか?

これらの税金は1年以上の分を一括で支払いますので、時期によっては払い込みすぎていることにもなります。

車を売ったものの、これらの税金がどうなっているのか分からず、還付金を取り戻したいがどんな手続きを踏めばいいのか分からないという人も、意外に多いと思います。

まずは税金の扱いについて、詳しく解説します。

車を売って利益が出た場合はこちらの記事も参考にどうぞ
車を売ると所得税の課税対象に!?年末の確定申告は必要なの?

車を売った時に払いすぎた税金は戻ってくる

税金というのは、「公平性」というものを重視します。

つまり、払うべき人がきちんと払って、払いすぎることも不足することもなく、公平に負担するということです。

そのため、手続きの都合などで本来払うべき金額より多く払ってしまった税金は、「還付請求」などを行うことで、払い戻されるのです。

この原則は、車にかかる以下の税金にも当てはまります。

自動車取得税 …… 自動車を取得することに対して課税される(消費税が10%に上がると同時に廃止されることが決まっています)
自動車重量税 …… 自動車に乗ることに対して課税される
自動車税 ………… 自動車を所有していることに対して課税される(支払うと納税通知書&証明書が発行されます)
軽自動車税 ……… 軽自動車を所有していることに対して課税される

では、具体的にはどういうふうにすれば還付されるのでしょうか?

自動車の税金について(課税時期と納税義務者)

税金には、必ず課税時期と納税義務者があります。まずはこの点を理解なければ、税金を納めることができませんので、還付以前の問題です。

課税時期というのは、課税されるタイミングです。そして、納税義務者というのは、税金を納めなければいけない条件に当てはまる人です。

つまり、課税時期に納税義務者となっている人に、納税の義務が発生するのです。

自動車に関わる税金では、以下のように決まっています。

税金課税時期納税義務者納税額
自動車取得税自動車を購入したとき/自動車を譲り受けたとき三輪以上の軽自動車、小型自動車、普通自動車を取得した人-
自動車重量税車検証の交付を受けるとき車検証の交付を受ける人初回:3年分/2回目以降:2年分
自動車税4月1日/新規登録時(新車・中古車)自動車を所有している(車検証の使用者の欄に記載されている)人1年分もしくは登録月の翌月から年度末までの月割り
軽自動車税4月1日自動車を所有している(車検証の使用者の欄に記載されている)人1年分

これらの条件に当てはまった人は、必ず納税しなければいけません。

なお、軽自動車については、4月1日時点の所有者に1年分課税され、それ以降に取得した場合は、その年の軽自動車税を納税する必要がありません。

つまり、4月1日ではなく、4月2日に購入すると、軽自動車税額分、負担が軽くなるわけです。逆に、4月2日に廃車にした場合は、1年分の軽自動車税を納めなければいけません。

自動車の税金が戻ってくるのは、こんな時!

前述のように、税金には課税されるタイミングがあります。そのため、売るタイミングによっては、すぐ売るにもかかわらず、税金の支払い義務が発生する場合があるのです。

ただし、そういった場合に、還付を受けられる(返金される)ようになっています。

自動車に関わる税金の還付については、以下のようになっています。

自動車取得税 …… 自動車の取得に対して課税されますので、還付されることはありません
自動車重量税 …… 還付は解体(永久抹消)時のみです。車検までの残存期間が1ヶ月以上ある場合に、抹消届と同時に申請することで、残存期間の月割り相当額が還付されます。
自動車税 ………… 売却した月の翌月から年度末までの未経過分の月割り相当額が還付されます。
軽自動車税 ……… 月割りされませんので、還付されません

残念ながら、車を売るときに還付されるのは自動車税のみということです。

※廃車にする場合は、自動車税だけではなく、自動車重量税も還付されますので、憶えておきましょう

自動車税の還付金は査定額に含まれている事も

自動車税の還付について、もう少し詳しく説明します。

自動車税は4月1日時点で自動車を所有している人に対して課税されます。(ただし、車検証に載っている「使用者」に課税されます。所有者でありませんので、注意してください)

つまり、4月1日に売却契約の手続きをすると、自動車税を支払う必要があるということです。正確には、3月31日中に名義変更の手続きが終わらなければ、課税されることになります。

もちろん、多くの買取業者はそれが分かっていますので、その旨を説明してくれるでしょうし、できる限り早めに手続きをしようとすると思います。

しかし、申込の時期によっては厳しいケースもあるでしょう。それが影響して3月末は陸運局が非常に混雑するようです。

車の売却は、このあたりを考慮して早めに行うのが良いでしょう。

ただし、仮に4月1日以降に名義変更が行われた場合でも、自動車税は未経過分が還付されます。いったんは1年分を納めなければいけませんが、その後、5月から年度末までの11ヶ月分が月割りで戻ってくるわけです。

ところが、ここで注意しなければいけない点があります。

この自動車税の還付金は、ほとんどの場合、査定額に含まれているのです。

「やけに査定価格が高いと思ったら、実は自動車税の還付金が含まれていた」ということもありますので、きちんと内訳を聞いて交渉しなければいけません。

また、もう1点注意があります。

それは、軽自動車の場合です。

軽自動車にかかる軽自動車税は、自動車税と同様に4月1日時点で車検証の「使用者」の欄に書かれている人に対して課税されます。

しかし軽自動車税は月割りされません。そのため、4月2日以降に購入した場合はその年の軽自動車税を払う必要がないのです。

ただその代わり、4月1日に名義変更した場合でも1年分課税され、納税した軽自動車税が還付されることはありません。

軽自動車の売却については、年度末ギリギリというのは裂けた方が無難でしょう。

税金以外で戻ってくるお金もある

実は、税金以外にも、リサイクル料と自賠責保険料は還付される可能性があります。

ただし、どちらも買取業者が買い取った車を一時抹消登録(ナンバーを無効にして公道を走れなくする)か永久抹消登録(解体)する場合だけですので、すべてではありません。

※つまり、廃車にしようと解体業者へ売りに行った場合は還付されるということになります。

例えば、買取業者が買い取った車を輸出しようとしている場合が、この場合に相当します。(還付される金額は、廃車した翌月から次の車検月までの月割りです)

買取業者が買い取った車をどう扱うかは、取引前に念のため直接確認するか、書類を見ておいた方が良いでしょう。

まとめ

自動車に関する税金は、自動車取得税、自動車重量税、自動車税(軽自動車税)、消費税があるということは、しっかりと押さえておきましょう。

また、それぞれの税金は取得したとき、走らせているとき、所有しているときのタイミングで課税されるというところまで理解しておけば、納税や還付についての理解も早いと思います。

・車の購入時は、自動車取得税、自動車重量税、自動車税、消費税といった税金がかかる
・自動車取得税は車を取得したときに課税される
・自動車重量税は車を取得したときと車検を通すときに課税される
・自動車税は4月1日時点に車を所有している場合に課税される(車検証の使用者)
・自動車取得税は還付されない
・自動車重量税は廃車の翌月から次の車検月までの月割りが還付される
・自動車税は名義変更の翌月から年度末までの月割りが還付される
・自動車税の還付金は査定価格に含まれている
・軽自動車税は還付されない