「走行距離が長くなるとマイナス査定」といわれています。また、「車の寿命は走行距離10万km」という話もあります。
では、「走行距離10万km」まで乗ってしまうと、車は売れないのでしょうか? また、逆にほとんど乗っていない「走行距離3万km」程度の場合なら、車の査定価格はアップするのでしょうか。
実は、この点は半分「その通り」です。そのため、「走行距離」は必ず意識しておくべきものなのです。車の走行距離と査定価格についてもっと詳しく解説していきます。
これから買取査定をしてもらう予定がある人、自身の愛車が高額査定してもらえるのか気になっている人は、ぜひ読んでおいてください。
目次
走行距離が短ければ、査定価格はあがる!?
車の走行距離というのは、車の査定において重要な項目の1つです。そのため、車の一括査定などの申し込みでは必ず入力する項目となっています。
単純に考えると、「走行距離が長い=よく使っている=故障する可能性が高い」という理屈になるのは分かるでしょう。そのため、「走行距離が長い=査定価格が下がる」ということになります。
車の一括査定などの申し込みには、「年式」という項目も必ずありますし、ボディカラーや車種、グレードという項目も必要になります。
何より本査定では車のコンディションが確認されます。
そのため、ただ単に「走行距離が短い(あまり使っていない)」から査定価格があがると考えていると、期待ハズレな結果になってしまうかもしれません。
基本的な価格は決まっている?
どんなものでもそうですが、基本的な価格というのはある程度決まっています。(もちろん、その基本価格自体は、市場全体の相場で変動しますが)
車の買取業者は、多くの場合、購入した車を自社で販売することなく、業者オークションにかけています。そのときに、上記の5つの情報と車のコンディションから、売却価格がほぼ決まってくるというわけです。
もちろん、業者は儲けがなければいけませんので、「オークションでの販売価格>買取価格」になるような査定額を設定します。
「走行距離」「年式」「車種」「グレード」「ボディカラー」の5つの情報と「車のコンディション」が、査定額に大きく響くのは理解できます。
中でも、「車種」「グレード」「ボディカラー」は購入時点で決まってしまいますので、車の査定額を前後させるのは、残りの「走行距離」「年式」と「車のコンディション」ということになります。(車種やグレード、ボディカラーの人気の度合いも、もちろん価格に影響しますが、市場全体の流れですので、個人でどうにかなるものではありません)
「走行距離」と「年式」から、「高く売れるとき」が分かる!
上述したように、「走行距離」と「年式」、「車のコンディション」が車の査定価格を決めます。つまり、これらが分かれば、車が高く売れるタイミングが分かるとも言えます。
ただ、車をいじるのが趣味のような人でなければ「車のコンディション」をきちんと把握するのは難しいかもしれなせん。
しかし実は、「走行距離」と「年式」から「車のコンディション」を予測して「車の売り時」を判断することができるのです。
「走行距離」と「年式」の関係
車の「走行距離」と「年式」を見れば、「車がどう使われてきた」「どんなコンディションか」というのが予測できます。
いくつか、具体的な例を紹介しましょう。
1. 走行距離10万km、年式5年
新車登録から5年経過していて、走行距離が10万kmという場合、平均して年に2万km走っているという計算になります。
車の走行距離というのは、一般的に、年間で1万kmになるといわれていますので、この車の場合は平均の2倍走った車ということになります。
つまり、平均の2倍程度の負荷がかかっているので、エンジンや内装などがあなたが予想するよりも悪くなっている可能性があると考えられるわけです。
2. 走行距離5万km、年式10年
前述とは逆に、1年に5,000km程度しか走っていない車です。単純に考えれば、エンジンなどへの負荷は軽く、比較的良い状態の車だと考えられます。
しかし、この場合はそれほど単純ではありません。
平均に比べて走行距離が短い場合は、車の使い方をしっかりと思い出してみてください。
もし、休日にレジャーなどで乗っていただけであれば、良い状態だと思って良いでしょう。休日に乗っているだけということは、比較的長時間ドライブをしていると予想できますので、エンジンはしっかりと暖まった状態で一定の速度で動き続けたということになります。
これは、エンジンにとってもっとも良い動かし方と言えますので、エンジンの劣化はあまりひどくありません。
反対に、この場合は査定価格が高くなる傾向があります。
毎日の買い物などで乗っていた場合で、この距離であれば心配です。
この場合、車を発進させてすぐにエンジンを切り、またすぐにエンジンをかけて、少しだけ走って帰ってくるということが多くなるのが普通。つまり、短時間でエンジンをかけたり切ったりを繰り返すということになります。
実は、エンジンは暖まりきる前に発進してすぐに停まってエンジンを切るというのは、エンジンへの負荷がとても大きい使い方となってしまいます。
そのため、走行距離のわりにエンジンの状態が良くない状態になっていると考えられます。走行距離が少ないのに、マイナス査定となってしまう可能性があるのです。
3. 走行距離1万km、年式10年
この場合も査定価格が低くなるかもしれませんので、注意が必要です。
年式に比べて走行距離が極端に短い場合は、車が放置されていた期間が長いということになります。
人は、身体を動かすことで、健康を保つことができます。
例えば、寝たきりになってしまうと急に身体が衰えたりしますが、車もそれと同じ。ある程度使うことで、良い状態を維持することができるのです。
そのため、放置されていると劣化が急激に進みます(バッテリーがもっとも良い例かもしれません)ので、「乗っていないのに故障が多い」という現象が起こってしまうのです。
車を売るなら「走行距離」を気にしておきましょう
車を高く売るには、コンディションが良い状態を保つことが重要です。
そして、上述の通り、一般的な走行距離「1年に1万km」を基準にして、自分の車の走行距離を眺めてみれば、車のコンディションが予測できます。
もちろん、走行距離が短いからといって、安心していてはいけません。利用方法によっては、思った以上に車の調子が悪くなってることもあります。
ただ、一般的に「走行距離10万kmが車の寿命」という話も聞いたことがあると思います。
もちろん、現在の日本車は10万kmくらいでは何の問題もなく、20万kmでも平気で走る車も多いです。
しかし、10万kmも走れば、どこかしら調子は悪くなりますし、中古車を買う身になってみれば、できれば避けたいと考えるでしょう。
そのため、10万kmを超えると、それより短い走行距離で同じコンディションであっても査定額が下がる傾向があるのは否定できません。
つまり、走行距離7万kmから8万kmあたり(新車登録から7年か8年目)で売るのが、最適と言えるかもしれません。
以上のように、自分の車の「走行距離」を意識するだけで、車のコンディション(メンテナンス時期)や車の売るタイミングが素人でも分かるのです。
新車を購入予定なら、別の選択肢も
基本的には、ディーラーよりも買取専門店のほうが高く売却できます。ですが、走行距離が10万kmを超えていて、年式もかなり古い車であれば、ディーラーのほうが高い評価になるかもしれません。
何故なら「どんなに古い車でも一律○万円で買い取ります」といった、下取りキャンペーンを実施している場合があるからです。
まずは愛車の相場を知るために、買取業者へ査定依頼してみて、それに納得できなければ、下取り査定を検討してみることをおすすします。
ちなみに、走行距離が多い・年式が古い車の使い道ですが、海外ならまだまだ需要があります。国産車は非常にタフなつくりになっているので、古い車でも人気があるのです。
まとめ
「走行距離」は車を売却するに当たってとても重要な情報の1つです。
「走行距離」によって、車のコンディションが予測できますし、買い手の印象は大きく変わります。そのため、メンテナンスや「売り時」の目安として、日頃から意識しておく方が良いでしょう。
ただし、愛車の価値は一箇所の買取業者の結果だけで判断してはいけません。一括査定サイトであれば、申込の手間を省いて複数の業者に依頼できますし、愛車の価値を高めることができます。無料出張査定にも対応しているので、忙しい人でも安心です。
また、一般的な情報だけで自己判断しないように気をつけてください。確かに走行距離は大きな目安になりますが、思わぬプラス査定の要素が隠れているかもしれません。
・走行距離が短くても、短時間の使用を繰り返すような乗り方では、査定額が低い場合もある
・走行距離を確認して、メンテナンスのタイミングを計ることができる
・必ずしも「車の寿命は走行距離10万km」ではないが、査定価格には影響する
・走行距離に加えて年式もかなり古い+新車を購入予定なら、ディーラーの下取り価格も確認する